胎児

    

胎児の姿を見る

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胎児の知らせを聞いてから数日後、私たちのもとにやってきた
胎児の姿」を見ようとふたりで近くの産婦人科病院に診察に行くことになりました。

そこはとても良い病院で、いまでは不妊治療専門院になっていますが、当時はソフロロジーなどもとり入れた理念のしっかりした産婦人科病院でもありました。

院長先生は年配の経験豊富な方で、いつも妊婦さんの気持ちを大切に考えているとてもやさしくておおらかな人でした。

不安と期待でいっぱいの中、治療を終えて戻ってきた妻が一枚の封筒のようなものを私に差し出しました。

その中身をなんであるか分かっている私は家まで待ちきれず、帰り際につい覗いてみることにしました。
中からはていねいにしまわれた数枚のモノクロ写真がでてきました。

やはり思っていたとおり!
雑誌や写真ではなんどもなんども目にしていた、あの神秘的な「胎児」が映っているではありませんか。
しかもこれは本物の私たちの「子」の超音波映像なんですよ!

まだ親指のツメほどの大きさしかありませんでしたが、そのかわいい姿は私にはまるでモゴモゴといたずらっぽく動いている妖精のように
思えました。
でもこの時期には、信じられないことに心臓はもう動き始めているんですね。
驚異!です。

しばらくたって二度目の検診の時がやってきました。どんなふうになっているのかとわくわくしていると、今度はもっと人の形に近づいていました。
でもちょっとふとったタツノオトシゴです。 ゴメン。

それでもこの時期にはもうすでに、脳や、目、鼻、口、耳などのすべての感覚器官が揃っているというからすごいですね。受精からおよそ1ヶ月半ぐらいです。

だんだん検診が楽しみになってきました。
受精から2〜3ヶ月目の検診ではもうすっかり小さな「人」です。

うずくまって何かをしているような姿は、まるで頭でっかちなロダンの「考える人」です。

でも、じっとしているのではなくいろんな動きをしているんだと聞くと、つい妻のおなかに耳を当ててみたくなります。

さっそくちょっと耳を当てさしてもらって静かにしていると、コップの中の水をかき混ぜているような微かな音が聞こえてきました。

それは自分が、わが子の「生」をはじめて確認できた瞬間でした。

・・・カンゲキです。








 
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